近年、以前と比べて物流会社の仕事量が増大しています。なぜかというと、インターネット通販会社が成長したため、そこからの荷物が多くなったからです。そして、配送する荷物が多くなったことで、客が留守でいったん持ち帰り、再配達をする機会も増え、輪をかけて仕事量が増加しているというわけです。
仕事が増えたということは入るお金も増えたということになり、一見すると、物流会社とネット通販会社の関係はいいように思えますが、実際のところはどうなのでしょうか。
仕事が増えたことは物流会社にとっていい面もありますが、増えすぎて荷物をさばききれなくなってきたという面もあります。この問題を打開するには人を多く雇うことが一番いい方法ですが、そう簡単ではありません。というのは、ネット通販との仕事は薄利多売であり、利益はそれほど多いわけではなく、大量に人を雇う資金の確保が難しいからです。
物流会社は契約を見直して送料を上げるように通販会社に迫っていますが、通販会社の方はそれを簡単に受け入れられない事情があります。どんな事情かというと、消費者が送料無料というシステムに慣れてしまっているものです。物流会社に支払う報酬を増やすには、客から送料をもらうしかありません。しかし、送料を取るようにすると客は送料無料の通販会社に流れてしまって売り上げが減ってしまうわけです。
そこで、物流会社と通販会社はもう一つの解決策を模索しています。それは、再配達を少なくするというものです。通販会社が宅配ボックスを客に販売し、物流会社はたとえ客が留守であっても宅配ボックスに荷物を入れれば配達を完了できるという風にすることで、仕事を効率化しようというわけです。